藤井フィーバーの裏で、ワイ氏骨折

 最近藤井四段の記事を連発しています。藤井四段の活躍を目の当たりにして個人的にかなり盛り上がっているのですが、世間はそんなに盛り上がっていないのではないかという疑念は当然持っていました。私の周りの将棋クラスタの方々は盛り上がっている、テレビでも連日特集されている、でも将棋関係者以外の方々は興味がないのではないかという不安がありました。しかし、今日整形外科病院の待合室でテレビを見ていたら、ちょうど藤井四段の28連勝の報道がされていたのですが、周りの患者たちが食い入るように画面を見て「すごいわね」などと言っていて、安心しました。このフィーバーは本物だ!

 とまぁこのように、ワイ氏左肘関節痛で整形外科に行ってきました。結果、左橈骨頭骨折と診断されました。

 ことの発端は昨夜、ランニング中に歩道と車道を仕切る鎖に気がつかず、つっかえて転倒。とっさに両腕を出したが、起き上がると左肘にすごい違和感。しかしある程度は動くので様子見で帰宅。もう病院もやってないし、とりあえず翌朝起きたときの状態で病院に行くか決めることにする。寝る支度をしているとだんだん肘が動かなくなる。焦ってネットで同様のケガを調べる。亜脱臼の可能性が高いと感じる。脱臼ってズレた骨を修整するときにめっちゃ痛いやつじゃないか。病院に行くのがとても怖くなる。しかしもう肘関節がほとんど動かせない。病院行きは不可避。眠れない夜、痛みに耐える覚悟をして朝を待つ。朝、病院に行き、まず問診。軽度の骨折っぽいと言われる。脱臼じゃなくて一安心、いや、骨折もやばいぞ。小学生の時足の指を骨折して整形外科に行ったら、不意打ちで曲がった骨を修整された。あの時の痛みは死ぬまで忘れないだろう。レントゲンを撮る。軽度の骨折だからか、損傷部が写らない。超音波検査をする。血腫発見。やはり骨が傷つきそこから出血しているようだ。はっきりさせるために、MRI検査をすることに。しかし、その病院には機械がないため、別の病院へ紹介状を持って。MRI検査では折れた肘を万歳の格好で固定。ちょっと変に動かすと痛むのでキツイ。痛みと痺れを紛らわすために眠ることにする。医療機関で横になると眠くなるのは私だけ?歯医者さんとか超眠くなる。検査には想像以上の時間を要した。40分くらい?キツカッタ。データをもらって前の病院に戻る。やはり軽度の骨折。先生に言われて見ると、橈骨頭が傷ついていた。3,4週間局所安静でいいらしい。肘の骨折はすぐ手術になりやすいけど軽度で良かったね、と言われた。ズレてもいないから修整をする必要もない。これが何より嬉しかった。激痛を味わなくて済む。ギブスで固定し帰宅。また明日状態確認に行く。

 ダーッと書きましたが、とにかく様々な意味でショックです。小学生以来の骨折、これからしばらくの不自由な生活、リハビリ・・・なにより、いい感じでトレーニングができていたのに、また振り出しに戻ること。

 トレーニングに関して、昨夏に登山をはじめて、トレーニングの必要性に気がつく。しかし、がむしゃらに飛ばしすぎて膝を痛める。晩秋から春まで安静にじっと耐える。春、軽いトレーニングと登山再開。歩き方の改善もあってかなりいい状態。ランニングでは1kmのタイムが1分くらい落ちていたけど、走れること自体がうれしかった。今度は無理をせず鍛えようと思う。コツコツ続けて徐々に身体状態の向上を実感していたところで、今回の骨折。また耐えないといけないのか。

 しかし、今回は長くて1か月。スクワットとかはできる。決して振り出しに戻るのではない。登山三昧の夏休みを万全の状態で迎えられるように、いまはじっと我慢しよう。

 数週間安静にしていれば治るとも限らず、血腫が靭帯や腱と癒着していたらそれを取り除く手術が必要になるかもしれないらしい。それだけは避けたい。祈ります。

 

 前の藤井四段の記事とこの記事、右腕一本で打ったから大変だった笑

藤井聡太四段28連勝!!!!

 本日、藤井聡太四段が王将戦一次予選で澤田真吾六段に勝ち、歴代最長連勝記録の28連勝に並びました。筆舌に尽くしがたいことが起こっています。

 以前別記事で書きましたが、藤井四段と澤田六段は20連勝目の時に対局していて、そのときは藤井四段が負け寸前まで追い込まれたのでした。そして今回澤田六段はその時のリベンジに燃えているから、とてつもなく手ごわい相手になると予想しました。

 しかし、今回は藤井四段の快勝でした。正直、アマチュアの私には、澤田六段が不出来だったのか、それとも藤井四段がとてつもなく強かったのか、分析しかねます。しかしいずれにせよ、このような舞台でスッキリと勝ってしまうのは、ものが違いますね。

 

 いやーーー、ついにここまで来たんですね。このブログで初めて藤井四段について書いたのは下の記事です。 

 この時点では藤井四段は18連勝中でした。記事内で最長連勝記録について言及していますが、まさか本当にそこまで勝ち続けるとは思っていなくて、記録に「どこまで迫れるか」と書いています。見通しが甘かったです。

 

 次の対局に勝てば新記録の29連勝です。しかも藤井四段はデビューから負けなしですからね。本当に信じられない。

 その29戦目の相手は増田康宏四段です。実は藤井四段と増田四段は『炎の七番勝負』で対局しています。炎の七番勝負をご存知ない方は、一つ上に貼ってある記事を参照ください。その時は藤井四段が終盤に勝負手を放って勝ちました。

 ところで後日、増田四段がインタビューで答えていたのですが、なんと、その対局は増田四段にとって初めて年下に負けた対局だったというのです。増田四段は現在19歳ですが、年齢に関係なく戦える将棋において19歳まで年下に負けたことがないというのは、ありえへんことです。つまり、増田四段も天才ってことです。実際、増田四段は16歳という若さでプロ棋士になっており、藤井四段がプロになるまでは現役で最年少のプロ棋士でした。

 そしてさらに、同じインタビューで答えていたのですが、炎の七番勝負のときには増田四段の心に隙があったようです、というのも、奨励会時代に二人は対局していて、そのときは増田四段が勝ち、それからあまり経っていないから今回(炎の七番勝負)も勝てるだろう、と思っていたらしいのです。しかし藤井四段が予想以上に強くなっていたのでした。今度の対局では増田四段も気合を入れてくるでしょう。

 天才同士のバチバチの戦い、今月26日に行われます。非常に待ち遠しい!

藤井聡太四段、27連勝。連勝記録まであと1。

 本日行われた朝日杯将棋オープン戦一次予選で藤井聡太四段が藤岡隼太アマに勝ち、デビューからの連勝を27に伸ばしました。いよいよ連勝記録歴代1位の28連勝にあと1勝まで迫りました。言葉にできない強さです。

 このブログで藤井四段について書いた最も新しい記事は、24連勝目を飾った対局に関するものでした。

 それからさらに3つ記録を伸ばしたことになります。その3局の中で最も印象に残った場面を、簡単に紹介したいと思います。

 今月15日に行われたC級2組順位戦瀬川晶司五段との一戦です。藤井四段が26連勝を決めた一局です。

 順位戦というのは名人戦への挑戦者を決めるリーグ戦のことです。A級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組のリーグに分かれていて、一年をかけてそれぞれの組でリーグ戦を戦います。A級で優勝した棋士が、名人戦の挑戦者となり、新しくプロになった棋士はみなC級2組からスタートします。C級2組で上位3位に入るとC級1組に昇級、C級1組で上位2位に入るとB級2組へ昇級・・・という仕組みです。つまり、名人戦はプロデビューしてから挑戦者になるまでに最低5年はかかる特殊なタイトル戦で、それだけ格が高いタイトル戦でもあります。昨年度プロ棋士になったばかりの藤井四段は今回が初めての順位戦への参加となり、C級2組からスタートしています。15日に行われた瀬川五段との一局は藤井四段の順位戦初戦でした。

 対戦相手の瀬川晶司五段のことをご存知の方も、もしかするといらっしゃるかもしれません。実は瀬川五段に関しては12年ほど前にちょっと話題になりました。というのも、瀬川五段は一度奨励会を年齢制限で退会し、その後特例でプロ編入試験を受けてプロ棋士になったのですが、その試験が行われたのが12年前でした。

 瀬川五段が編入試験を受ける前は、そのような制度はなく、プロ棋士になるには奨励会というプロ棋士養成機関で勝ち抜かないといけなかったのです。瀬川五段もかつてそこに所属していましたが、あと一歩のところで年齢制限という規則により退会せざるを得ず、一度プロ棋士への夢をあきらめます。しかしその後、アマチュア大会に参加して何度も優勝し、優勝者の権利としてアマチュア枠でプロ棋戦に参加すると、そこでプロ棋士を相手に高勝率を挙げたのでした。それを受けて瀬川五段と親交のあったプロ、アマ将棋関係者が、将棋連盟にプロ編入の嘆願書を提出し、編入試験が行われることになりました。それに見事合格しプロ棋士になったんですね。

 それ以降、アマチュア枠でプロ棋戦に出場したアマチュアが、プロ棋士相手に高勝率を挙げた場合にプロ編入試験を受けられる制度がつくられました。これまでプロ棋士になるには奨励会を勝ち抜けるしかなかったのが、別の道ができたことになります。瀬川五段はそれだけ大きな変化を将棋界にもたらした棋士です。瀬川五段に関しては著書もいくつか出版されていますので、興味を持たれた方はぜひ。

 前置きが長くなりましたが、藤井四段と瀬川五段の一局の印象的な場面を見ていきます。この一局は藤井四段が中盤でリードを奪いますが、瀬川五段も粘り強い指し回しで簡単には土俵を割りません。そして終盤、ついに瀬川四段の粘りが実を結びます。下図。

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 先手が瀬川五段、後手が藤井四段です。いま後手の藤井四段が△87歩と打ったところ。藤井四段は瀬川五段の次の一手を見落としていたそうです。それは▲46桂。この手は次に▲54桂~▲55馬を狙っています。▲54桂と王手をかけつつ相手の55の桂馬を支えている54の歩を取り、王が逃げたら支えがなくなった55の桂馬を馬で取ろうという狙いです。後手の55の桂馬は先手玉の逃げ道をふさいでいる重要な駒で、後手としてはこれをただで取られる展開だけは避けなくてはなりません。したがって、後手としては先手の▲54桂をいかに防ぐかが上図で喫緊の問題となっています。

 重要な55の桂馬を取る狙いを持った▲46桂という手を見落としていたのですから、藤井四段はかなり動揺したに違いありません。実際、「▲46桂を見落としていて、負けにしたかと思った」というコメントを局後に残しています。

 私はこの時の両対局者の様子を中継で見ていましたが、▲46桂が指される前後で藤井四段の様子が明らかに変わりました。指される前はかなり余裕がある雰囲気で勝ちすら意識しているように見えましたが、指された後は耳がやや赤くなり前傾姿勢になり身体を揺らして読みに耽っていました。また、こんなはずでは、というような思いを感じさせる仕草も見られました。

 ▲46桂の局面を載せましょう。

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 次の▲54桂をどう受けるかが問題と上に書きました。受けること自体は簡単です、△63金、△63銀、△53金など。しかし正解は恐らく一つだけであり、しかもいずれの手も膨大な変化手順を含んでいます。幸いだったのは藤井四段がこの時点で持ち時間を多く残していることでした。順位戦は持ち時間が6時間と長いのですが、藤井四段はまだ1時間以上残していました。ここで時間を存分に投入して考えます。

 そして藤井四段は恐らく正解を指しました。

 上図以下△63金▲54桂△同金▲66桂△65金▲同銀△同銀▲55馬△88歩成▲64馬△53桂▲54桂△33玉▲55馬△34玉▲48金△56金(下図)まで。藤井四段の勝ちとなりました。

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 コンピュータに検討させたところ、先手が▲46桂と跳ねた局面は互角になっているようです。それに対し藤井四段も最善の△63金で応じます。それからちょっと進んで瀬川五段が指した▲66桂が最善でなく、再び藤井四段の勝ちになったようです。代わりに▲55銀なら互角の熱戦が続いていたようです。しかし、この時瀬川五段はすでに持ち時間をすべて使い切っており、秒読みに追われていましたので、ミスが出るのも仕方ないところ。以下は藤井四段が2度は逃がさず勝ちました。

 個人的には、藤井四段が見落としをしたこと、その後の対局姿勢の明らかな変化、そして優位をふいにしても崩れずに勝ち切ったことがとても印象的な一局でした。

 さて、こうして連勝を伸ばし続けている藤井四段、28連勝をかけた対局の相手は澤田真吾六段です。いつタイトルに挑戦してもおかしくない若手の実力者で、非常に手ごわい相手です。

 実は藤井四段と澤田六段は、藤井四段が20連勝目をかけた対局で当たっています。その将棋についてはこのブログでも取り上げました。

 対局内容の詳細については上の記事を参照していただきたいのですが、藤井四段は絶対絶命とも言えるほど追い込まれた将棋を逆転して勝ったのでした。藤井四段のこれまでの27戦の中で最も負けに近づいた将棋でした。

 澤田六段の立場からみると、勝ちを目前にして逃してしまった相手に、それ以降さらに連勝を伸ばしているところで再び当たることになります。しかも歴代最長連勝記録に並ぼうという対局で。これは燃えるでしょう。澤田六段は必勝を期して臨んでくると思います。

 対局は今月21日に行われます。めちゃくちゃ楽しみです!!

藤井聡太四段関連記事】


 

飯縄山登山(6月11日)

 先週半ばから休養?のため帰省しています。帰省したとなると実家周辺の山に登ろうと思うのは当然の流れ。当初は妙高山に登りたいと思いましたが、まだ残雪が多くて断念。登山自体中止の選択肢も含めどの山にしようかな~と悩んでいたところ、両親も山に登ってみたいということで、両親基準でいい山を探してみる。両親は登山らしい登山は初めてなので、初心者向けのコースが第一条件。しかし、せっかくだから達成感や展望を味わってもらいたいということで、あまりに低すぎて簡単な山も除く。結果、飯縄山に決めました。

大座法師池より望む飯縄山

(写真はWikipediaより)

 調べてみたところ、飯縄山は、南登山道から登るとコースタイムがそれほど長くなく時間に余裕を持て、危険な道もほとんどなく、そして頂上からの360°パノラマが素晴らしいということでした。

 当日、天気は快晴。ラッキー!!

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 出発進行!

 南登山道ではずっと林道を登っていきます。両親のペースに合わせてゆっくりと。

 開始すぐ、父が予想以上に体力がないことが判明。まぁ年だし、運動してないし、仕方ないですね。頻繁に休憩を取りまくって登ることにしました。ちなみに母は普段ランニングをしているため余裕そうでした。

 登りも終盤、父がめまいを訴え始めました。おそらく脱水症状だったので、長めの休憩を取ってスポーツドリンクをたくさん飲むように言います。もちろん、それまでも本当にたくさんの休憩を取って、そのたびに水分補給をしていました。しかし、体力がないためすぐ息が上がり、発汗が思ったよりも多かったようです。もっとたくさん水を飲むように言うべきでした。反省。

 しばらく休んで水分補給をしたところ、回復したようなので、再開。もう頂上はすぐでした。 

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 無事に登って来られてよかった~。

 展望は話に違わず最高でした。

 後立山連峰

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 槍と穂高

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 長野市街と、奥に美ヶ原?

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 これらの絶景に、両親も喜んでくれました。

 山頂で皆でおにぎりを食べ、休憩。父もこれで完全に復活したようです。絶景を存分に楽しんで、下山。

 ワイ

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 下りは、慎重に、水分補給もしっかりとして、無事に下山完了。

 今回のコース、活動記録など。

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 活動時間がコースタイム+2時間くらいになっています。それだけたくさん休憩を取ってゆっくり歩きました。

 最初に書いたように、初心者向けコースとしてこのコースを選びましたが、累積標高上り下り1600mは、私がGWに登った百名山の大山(鳥取県)より多い。ちょっと両親(特に父)にはキツすぎたかもしれません。コース選びは難しいな。

 私に関しては、今回の登山では、かつてなく楽に登ることができ、私の課題であった大量の発汗とそれによる水分の消費をかなり抑えることができました。しかも今回私は、両親の分の水分や食料も背負って登っていて、それなりに荷物が重い中でこのように登ることができたのは、登り方の改善につながる可能性があります。

 楽に登ることができた要因としては、二つ考えられます。一つはゆっくりとしたペース。今までの私の単独行では、コースタイムをどれだけ縮められるかという挑戦心のようなものもあって、きつくて汗をかいても早めのペースで歩いていました。それが今回は両親の安全を最優先にゆっくり歩きました。それが、予想以上に楽だった可能性があります。

 もう一つはサポータータイツを穿いていったこと。実家に兄のスポーツ用サポータータイツがあったので、それをかりて行きました。私はこれまでそのようなものを穿いて登山をした経験がなく、これが初めてでしたが、それが下半身の負担を軽減してくれたために楽だった可能性があります。

 以上2つの要因が考えられます。とりあえず、次の山行ではかなりゆっくりめのペースで登ってみて、そのときどの程度のキツさを感じるか調べてみます。それでとても楽だったら、それ以降もペースを落として登ります(もちろん、トレーニングをして楽に登れるペースを上げていく)。もしそれでもキツかったら、サポーターの方が役に立っていた可能性が高まるので、自分用のを買おうかな。

 さて、両親ですが、登山にハマりつつあるようです。私としては一緒に登れるのは嬉しいのですが、心配な気持ちも大きいです。父は体力があまりにも少ないですし、両親とも登山に関してどの程度の知識を持っているのか(もちろん私もひよっこですが)。両親二人だけで登るとなると、心配でなりません。とりあえず帰省しているうちに、少ないながらも私が持っている知識を両親に伝えて、また普段からウォーキングなどで鍛えておくことを勧めたいと思います。

 家族でいろいろな山に登れるようになるといいな。

藤井聡太四段対梶浦宏孝四段戦【叡王戦】

 本日行われた叡王戦予選1回戦で藤井四段が梶浦四段に勝ち、デビューからの連勝を24に伸ばしました。これで藤井四段は本日午後19時から2回戦行われるに駒を勧めることになりました。また連勝記録は丸山忠久九段と並び、歴代2位タイとなりました。アンビリバボー!!

 以前このブログでは藤井四段の強さを分析する記事を書きました。 

 今回の藤井—梶浦戦で上の記事で書いた藤井四段の強さの特徴が見られたので、その場面を簡単に見ていきたいと思います。

 まず、下図(第1図)。

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 中盤戦で抜け出した藤井四段(後手)が、有利に局面を進めて迎えた終盤戦、今先手の梶浦四段が▲47角と打ったところです。叡王戦予選は持ち時間が短く(持ち時間は1時間、それを使い切ると1手60秒の秒読み)、この時点で藤井四段はすでに秒読みになっていました。この角打ちは飛車と金の両取りとなっています。一般的に金よりも飛車の方が価値が高いので、この局面では△19飛車成や△28飛車成などと飛車を逃げるものだと考えられました。

 第1図から△66歩▲29角△67歩成▲65角△66歩と進み下図(第2図)。

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 なんと、藤井四段は飛車を逃げずに攻めました。

 上にリンクを貼った藤井四段の分析記事で、藤井四段の強さの一つに、踏み込みの良さがあると書きました。第1図で藤井四段が指した△66歩はまさに踏み込みの良さを示した手でした。というのも、この△66歩という手は、本譜(実際の進行のこと)のように飛車と金を取られる手だからです。第2図を見ていただければわかるように、藤井四段は飛車と金を取られてしまっています。そして飛車を相手に渡すと、藤井四段は自分の玉の安全度をつねに考慮に入れなくてはいけなくなります。飛車は強力な攻め駒だからです。そのようなリスクを負う局面を秒読み中で選べるというのは、まさに藤井四段の踏み込み、見切りの良さを示した例だと思います。

 ただし、将棋には「両取り逃げるべからず」という格言があります。これは、第1図のように両取りをかけられた局面では、どうせどちらかの駒は取られるのだから、どちらかの駒を逃がすのに一手を使うならその一手を攻めの手に使った方が良い、ということを表す格言です。この格言はけっこう当てはまる局面が多く、特に一手の価値が高まる終盤戦ではよく当てはまります。藤井四段が第1図で指した △66歩もその格言に従った手とも言えます。

 しかし、いくら格言通りと言っても、一番強力な駒である飛車を相手に渡すようなハイリスクな手を指せるのは、藤井四段の踏み込みの良さがあってこそだと思います。

 さて、第2図まで進んでみると、先手玉は徐々に受けが難しくなっており、後手の藤井四段の踏み込みが功を奏したと言えます。ただ、先手も飛車を持っており、また角のラインも強烈ですので、藤井四段としては神経を使う局面でもあります。

 実戦はここから▲76銀△55桂▲44歩△68と▲88玉△64金▲43歩成△65金▲72飛車と進んで下図(第3図

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 梶浦四段が一方的に攻められていた状況からなんとか攻め合いに持ち込みました。そして第3図は後手の藤井四段の玉に詰めろがかかっています。

 「詰めろ」という用語については下の記事で説明していますので、ご存知ない方は参照してください。

藤井聡太四段対澤田真吾六段戦① 

 第3図では次に▲32飛車成または▲32とで後手玉が詰んでしまいます。それらを防ごうと、△43金としてと金を取っても、▲32金と打たれてやはり詰んでしまいます。72にいる飛車の利きが強烈ですね。しかもこの飛車は先手玉の守りにも利いています。飛車はこのように強力な駒ですので、第1図でそれを渡す手順に踏み込んだ藤井四段はやはり強いです。

 ただし、第3図では後手玉に詰めろがかかっているとはいえ、先手は攻め駒が不足しているため、後手は自玉を受けることができます。そしてここさえ凌げば、先手玉はもう持たないので、後手の勝ちになります。というわけで、第3図では後手の藤井四段がどう受けるかが注目されました。

 第3図から△42歩▲44歩△22玉▲32と△13玉と進んで下図(第4図

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 と金と飛車による攻めを受け流して、13に玉を逃げ込んだのが勝ちを決定づける手順でした。というのも後手のこの13玉の形は、先手が角か銀を持っていない限り有効な王手がかからないのです。持ち駒に角か銀を持っていれば先手は▲22角や▲22銀から先手玉に迫ることができますが、それらを持っていないと意外と後手玉に迫る手段がありません。そして現状では先手はそれらを持っておらず、さらに盤上で手に入れることもできそうにありません。逆に後手からすると、角と銀を渡すことだけに注意して先手の玉を攻めればよい局面に持ち込んだわけで、非常に考えやすくなりました。

 このように「〇〇さえ渡さなければ自玉は詰まない」という状況を発見してその局面に持ち込む技術は、とても役に立ちます。藤井四段がまさにその状況をつくり出した第3図から第4図までの手順は、プロ棋士にとっては当たり前の手順かもしれません。しかし逆にプロでもそういう基本的な手順の積み重ねで指しているわけであり、我々アマチュアが参考にできるところでもあります。

 第4図以下は▲68角△67歩成▲65銀△78銀となって、先手玉に受けがなくなり梶浦四段の投了となりました。

 以上のように、踏み込みの良さと安定の終盤力を発揮して勝利した藤井四段。最初に書いたように本日19時から行われる叡王戦予選2回戦に進みました。2回戦も初戦と同様にニコニコ動画の将棋公式生放送チャンネルで生中継されます。どのような将棋を見せてくれるのか、非常に楽しみです。

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