『コンピューターで「脳」がつくれるか』五木田和也著【書評】

『コンピューターで「脳」がつくれるか』

技術評論社 2016年9月発行

・著者

五木田和也

2011年千葉工業大学卒業。2012年株式会社ウサギィに入社。現在株式会社ウサギィの執行役員、テグザム株式会社のCTO。大学では機械学習、画像認識など人工知能関連技術の研究を行う。

 

・目次

1章 人工知能人工知能ではない?

2章 生きるための知能、道具としての知能

3章 どこまで脳のしくみを解明できるか

4章 人間を追い越したコンピューター

5章 汎用人工知能をつくるには

6章 変わる人間の未来

 

・所感

 小中学生あるいは人工知能に関する知識を全く持たない社会人向けの本。特化型人工知能と汎用人工知能の違いを明確にし、汎用人工知能の実現に向けた研究について述べる。

 1,2章で特化型人工知能と汎用人工知能の違い、人間の脳と人工知能の違いを明確にする。3章で人間の脳のしくみについて説明し、これと関連づけて4章で特化型人工知能の技術を解説する。さらに5章で、3,4章をもとに汎用人工知能実現のヒントを考え、最近の研究の成果を紹介する。最後に6章で汎用人工知能が実現した後の世界を予測する。

 本書の特徴は人工知能について非常にやさしく説明されていることで、小学生でも読み進めていけるようになっていると思う。しかし、わかりやすさのためとはいえ、ところどころ簡単にしすぎではないかと思われるところも見受けられる。たとえば、本書全体を通してロボットと人工知能が区別されずに記述されているし、汎用人工知能実現後の世界に関する記述でもツッコミどころがある。このため、高校生や大学生、1冊でも人工知能関連の本を読んだことがある人には、物足りない内容だと思う。

 本当に知識ゼロの人でも読めるという点では貴重な書だと思う。人工知能に興味を持った小中学生がとっかかりとして読むのに適していると思う。

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コンピューターで「脳」がつくれるか