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山に登る前に読む本【所感】

登山 医学

『山に登る前に読む本』

ブルーバックス 2014年発行

 

著者

能勢 博

 信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学講座教授。1997年京都府立医科大学卒業、京都府立医科大学助手、イェール大学博士研究員などを経て現職。信州大学山岳科学総合研究所・高地医学・スポーツ科学部門長、常念診療所長などを歴任。

 目次

第1章 登山の生理学的理論

第2章 実践!科学的登山術

第3章 山に登るためのトレーニング

第4章 富士登山と高山病

終章 なぜ山に登るのか

所感 

 登山時に起こる身体現象を生理学的に解説した書。

 代謝、体温変化、発汗などの仕組みを説明する。また、登山で最も重要な体力について、持久力と筋力に分け、それぞれを向上させる科学的なトレーニングの仕方を提案する。そしてそれらの知識を基に、実際に登山時に取るべき選択や行動を述べる。具体的には登山前のトレーニング法、登山中の食料と水分の種類や補給の仕方、エネルギーや水分の消費量、疲れにくい歩き方、高山病や低体温症についてとなどである。著者は学生時代に山岳部に所属し卒業後も登山を続けているようで、経験が豊富なのであろう、登山者が気になるところをもれなく説明している。

 本書内で取り上げられている事例や実験は中高年に関するものが多い。これは近年の中高年の間での登山ブームや、山での遭難者の70%以上が体力が低下している中高年であることを考慮してのことだろう。しかし、山においては誰もが常に危険と隣り合わせにいることを、我々登山者は忘れてはならない。この本を読み実践して、登山に適した身体を手に入れ登山中に正しい行動をとることができるようになれば、遭難する可能性はぐっと減るだろう。全登山者必読とも言える書であると思う。

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山に登る前に読む本 運動生理学からみた科学的登山術