登山靴の選び方

 本日、モンベルに行って登山靴を購入しました。これまで私は普通の靴屋さんに売っていた安いトレッキングシューズを使っていたのですが、それがだいぶ古くなり、グリップ力が無くなってスリップしやすくなっていると感じたので、新たに本格的なものを購入することにしました。お店で選ぶ際に、店員の方から登山靴の選び方に関していろいろと話を聞いてきたので、忘れないうちにここにまとめようと思います。

 

登山靴の選び方

①用途に合わせたものを選ぶ。

 偏に登山靴と言っても、北アルプスのような3000m級の岩場を歩くためのものから、平坦な道を含む低山を歩くためのものまで、様々な種類のものがある。たとえばモンベルでは、用途が違う「アルパイン」、「トレッキング」、「ライトトレッキング(ハイキング)」の3種類が用意されている。それぞれの靴の特徴を挙げる。

アルパイン

特徴:ハイカット、堅いアッパーとソール、重量

→ハイカットが足首を、堅いアッパーが足を固定し、岩場を歩くときや重い荷物を背負って歩くときに、身体が揺れにくい。岩場を登り下りする際、つま先だけを岩にひっかけて立たなければならないときに、堅いソールのおかげで脚と全身を支えやすくなる。

 以上から岩場をメインに歩く場合や、テントなどの重い荷物を背負って長期縦走するのに向いている。一方、靴自体が重いので、低山や一泊二日小屋泊程度の荷物の際には、オーバースペックとなる。

・トレッキング

特徴:ハイカット、柔らかいアッパー、堅いソール

アルパインとライトトレッキングの中間的存在。ハイカットだが素材は柔らかいのでアルパインほどの固定力はない。

 低山から岩場まで、小屋泊からテント泊までオールラウンドに対応しているが、一方で中途半端なモデルとも言える。

・ライトトレッキング

特徴:ローカット、柔らかいアッパーとソール、軽量

→ローカットと柔らかい素材のため、足があまり固定されず平坦な道でも歩きやすい。軽量のため、体力の消費も少ない。なお、モンベルの公式HPでは、これに属する靴は基本的に「ハイキング」モデルに分類されている。

 低山メインの場合や一泊二日小屋泊程度の少ない荷物での山行に最適である。逆に、明らかなように、岩場を歩くときや重い荷物を背負っているときは、身体が揺れやすく適さない。

 

②自分の足の形に合った靴を選ぶ

 人は皆それぞれ足の形が違う。幅広だったり甲高だったり、その逆だったり。自分の足の形にぴったり合った登山靴を選ぶに越したことはないが、本当にそれを実現するにはオーダーメイドの登山靴が必要になる。しかし、多くの人にとってそれは少し難しいだろうから、既製品の中から最も合っているものを選ぶ必要がある。

 モンベルの男性用登山靴には、足の形に合わせて普通モデルとワイドモデルがある。さらに同じモデルでも微妙に形が違う製品が何種類かある。

 自分に合ったモデルを探すには、まずサイズを決める。裸足で足のサイズを測り、それ+0.5-1cmの大きさのものにする。次に中敷きと自分の足を合わせてみて、普通モデルとワイドモデルのどちらの形態が合っているか調べる。そして実際に靴を履いて感触を確かめる。かかとを合わせて靴を履き、紐をきつめに絞めて、坂を昇り降りしたり横歩きしたりしてみる。感触というのは、具体的には、全体的なキツさ、かかとが縦ずれしないか、横歩きしたときに横ずれしないかである。

 上記のように一人一人足の形が違う中で、完璧に合った既製品はまず存在しないから、紐を縛る強さを可能な範囲で調整しながら、最も合っている靴を見つける。一般的に何年か履いていると全体的に構造が緩くなり、自分の足に合わせて変形していくから、ちょっとキツめのモデルを買う方が良いらしい。そうして2年、3年と履くうちにフィット感を増していく。

 

 以上が登山靴を選ぶ際に主に考慮すべき点です。それでは実際に私がどう選んだかを書いていきます。

 まず①に関して、私の場合、現在は、テント泊はしない、長くて1泊2日、基本は林道という登山スタイルですので、「トレッキング」と「ライトトレッキング」に絞りました。

 次に②に関して、私の足はやや幅広で、中敷きと私の足を合わせて調べてみると、普通のモデルがギリギリ合うかどうかというところでした。それでまず普通モデルを履いてしばらく歩いてみると、小指がちょっとキツイ。そこでワイドモデルを試してみると、ゆとりがありましたが、今度は緩すぎる気もしてきます。かかとが縦ずれしたり、横歩きするときに横ずれする気もしなくもない。これに関しては、登山靴を選ぶのは今回が初めてだったので、正解が分かりませんでした。

 悩んだ末に、最終的に「ライトトレッキング」の「ワイドモデル」である「タイオガブーツ ワイド」にしました。

 「トレッキング」ではなく「ライトトレッキング」にしたのは、今の自分の登山スタイルに最も適したものにしようと思ったからです。トレッキングにすれば今後テント泊などをすることになっても一足で足りるかもしれませんが、やはり中途半端な靴になってしまうのを恐れました。もしテント泊や長期縦走をすることになったら、それ用に「アルパイン」を買います。

 また、普通モデルではなくワイドモデルにしたのは、普通モデルのキツさが許容できない範囲だと思ったからです。しかし、これは実際に履いて山行してみないと、いやそうしても一方しか履けないわけだから、どっちが正解だったかはわからないでしょう。まぁ何事も経験ということで、今回はこれで悔いなし。

 

 近いうちにこの靴のデビュー山行を予定しています。そしてそれは待ちに待った骨折からの復帰山行にもなります。楽しみだ。