TOEICで900点を取るための勉強法
先日、5月20日に実施されたTOEICの結果が発表されたので、確認したところ920点でした。
私は、手順を踏んで効果的な勉強をすれば、ほとんどの人が900点を取れるようになると思います。そこで、点数が伸びずに悩んでいる人のヒントになるように、私がオススメしたい勉強法を書きます。
私は900点を取るには二段階の勉強が必要だと考えます。第一段階は800点を取れるようになるまでの段階、第二段階はそこから900点に上げる段階です。順に説明していきます。
①800点まで
まずは第一段階、800点までです。
わかりやすいように800点という点数で表現しましたが、この段階の真の目標はその点数ではありません。基礎固めです。結局のところ、基礎をしっかり固めることが、900点を取るための最短ルートになると思います。逆に基礎がガタガタだと後でTOEICに特化して対策してもあまり点数が伸びないでしょう。そしてその基礎がしっかりしているかを判断する基準が800点なのです。基礎が固まっていればTOEIC対策をほとんどしなくても800点をとることができます。
具体的には高校レベル・大学受験レベルの復習をすると良いと思います。このレベルはまさに英語の基礎です。単語、文法、読解、リスニングどれも重要です。下に特におススメの本を挙げておきます。
・『コアレックス英和辞典』
全体的に見やすく構成されている辞書です。基本的な単語が詳しく解説されています。難しい単語や専門用語は載っていませんが、そのような語はネットで簡単に調べられます。現代の辞書に求められるのは基本語の詳細な説明だと思います。好奇心の赴くままにいろんな単語を調べましょう。
・『一億人の英文法』
少し変わったアプローチをとる英文法書ですが、実用的な英語を退屈せずに学ぶことができます。
・『英文読解入門 基本はここだ!』
英文を前から自然に読む方法を解説した本です。薄い本ですが中身は濃密です。全英語学習者に読んでみてほしいほどオススメです。
・『システム英単語』
フレーズで覚える単語帳です。ただ、単語帳は自分が気に入ったものを使うと良いと思います。
・『速読速聴英単語・Basic2400』
文章の中で単語を覚える単語帳です。英文読解の応用やリスニングの勉強にも使えます。
これらの本を中心に、各自必要だと思うところを適宜補って勉強していけば基礎がしっかりします。簡単な英文を読んでみたり聞いてみたりして、勉強の成果を確かめつつインプットした技術を実際に使う練習をしましょう。
基礎がしっかりすれば公式問題集を数回練習するだけで800点前後を取れるようになります。逆に800点に遠く及ばなかったらまだ基礎があやふやだと捉えた方が良いでしょう。800点をおおよその目安にして次の段階に進むか判断しましょう。
②800点から900点へ
さて、①で基礎を固めたらいよいよTOEICに特化して点数を上げていきます。TOEICに特化すると言っても、基礎がしっかりしていれば対策しなければならないことはそれほど多くありません。ビジネス英単語に対応することと、リスニング力を強化することくらいです。ではどうやるのか。説明していきます。
私が実際に行った方法はとてもシンプルです。それはシャドーイングです。適当な英文をひたすらシャドーイングします。これで私は920点取りました。
シャドーイングとは、英文の音声を聴きそれを即座に復唱するというものです。次々に読まれていく英語を聴き取りながら口に出すのはかなり難しいです。しかし、これを修得すればリスニング力や読解スピードが格段に向上します。さらに修得する過程で何度も同じ英文に触れるので、そこに含まれている単語や語法を自然に覚えることができます。シャドーイングはとても効率的な勉強法なのです。
しかし、初めて触れる英文をいきなりシャドーイングしようとしてできる人はほとんどいないのではないでしょうか。順に段階を踏んで最終的にシャドーイングができるようになれば良いと思います。その手順を説明します。
1.自力で英文を読んでみる
まずは教材に自力で取り組んでみてどのくらい理解できるか試してみるといいでしょう。問題などがついていれば普通に解きます。あまりに理解できなかったらその英文は難しすぎるかもしれません。TOEICのリスニング問題と同程度の難易度かそれよりも優しいくらいの英文からはじめるといいと思います。なお、シャドーイングをするには音声が必要なので、音声付きの英文教材を用意する必要があります。(下にオススメの教材を載せておきます)もちろんリスニング教材に取り組んでも良いでしょう。
2.辞書・参考書などを使って英文を徹底的に理解する
1で取り組んだ英文を、辞書でわからない単語を調べたり、解説があればそれを参考にしたりして丁寧に読解していきます。一文一文の意味と文章全体の論理構造をできる限り理解します。
3.音読・リスニング
2で文章を理解したら音読をします。ただ読むのではなく、文意・文構造を確認しながら読みます。並行して、適宜音声を聴いて正しい発音やイントネーションを確認します。そしてそれを真似しながら音読をします。音読、音声の確認を何度も繰り返します。最低でも10回は読みたいところです。
4.オーバーラッピング
3でスムーズに読めるようになったら、オーバーラッピングを取り入れます。これは音声を流し英文を見ながらその音声と同時に音読することです。シャドーイングとの違いは英文を見ているか否かですが、英文を見ることがでるオーバーラッピングはそれほど難しくないと思います。このオーバーラッピングも音読同様何度も繰り返します。これも最低でも10回は繰り返したいところです。
なかなかスムーズにオーバーラッピングできないと感じたら、3に戻って何回か自分のペースで音読をしてみます。3と4を交互に繰り返しても良いでしょう。
5.シャドーイング
さて、いよいよシャドーイングです。シャドーイングは英文を見ず音声だけを頼りに復唱するので難しいです。しかし4までこなしていれば、すでに対象の英文を20回は読んでいることになります。そのくらいの状態なら難しいシャドーイングでもなんとかなると思います。もちろん最初は音声のスピードにほとんどついていけないかもしれません。その場合は適宜3、4に戻りながら何回も挑戦してみてください。
何回挑戦してもどうしてもできない場合は、英文が難しすぎる、あるいは音声スピードが速すぎる可能性があります。その場合は、もっと優しい教材に変更しましょう。焦る必要はありませんし、英文が難しいほど効果的というわけでもありません。自分の力に合った英文に取り組むことが重要です。
シャドーイングは非常に効率の良い方法なので、できる限り多く繰り返した方が良いでしょう。ネットで調べてみると、多くの英語講師が「英文を覚えるまでシャドーイング・音読した。そして覚えた英文を増やしていった。」と言っています。
私は覚えるほどまで取り組んだ英文はほとんどありませんが、ある一冊のTOEIC本を丸々つっかえずにシャドーイングできる状態にしました。数にすると60~70文程度でしょうか。それらをシャドーイングできるようにしただけで900点を超えたのです。シャドーイングの効果が分かると思います。
以上がシャドーイングのやり方です。初めて触れる英文には難しいシャドーイングでも段階を踏んでいけばできるようになります。
5まで終えシャドーイングを修得したらもう900点を取れる力はついているでしょう。あとは公式問題集などを解き、時間配分や各Partの解き方を確認すればOKです。復習に問題集のリスニング問題の音声を使ってシャドーイングするといいと思います。
最後にオススメのシャドーイング教材を載せておきます。
この本はTOEIC頻出の英単語の修得を主旨としたものですが、シャドーイング教材としても非常に優れています。というのも本書は「本番そのまま」という書名の通り、実際のTOEICテストのような英文の中に頻出単語がちりばめられており、その英文には全て音声がついているからです。つまり、その音声をシャドーイングすることでリスニング力・リーディングスピードなどを鍛えると同時に、TOEIC頻出単語を覚え、試験と似た形式の英文に多数触れることができるわけです。上に書いた私が「丸々一冊シャドーイングできるようにした本」というのはこの本です。
私はこの本に取り組む直前の試験の点数が845点でした。これは上記の①の段階、ほぼ基礎力だけで取った点数です。その試験直後に本書を買い、次の試験までの1か月間にシャドーイングができるようになるまでひたすら取り組みました。そしてその試験で920点取りました。この点数が取れたのはまさに本書のおかげです。
また、本書には、掲載されている英文をまとめて模擬試験にしたものが購入者特典でついてきます。この模試は、本書に取り組む前の力試しや、取り組んだ後の修得度確認などに使える便利なものです。
抜群の効率と使い勝手の良さを誇る『TOEIC(R)L&Rテスト 本番そのまま プラチナボキャブラリー』オススメです。
なお、もし自分に合わないと思えば、これにこだわる必要はありません。音声がついているTOEIC教材ならば、相当酷いものでなければどれも効果的だと思います。自分にぴったりの一冊を探してみてください。
以上が私がオススメしたいTOEIC900点を取るための勉強法です。基礎固めとシャドーイング、この非常にシンプルな方法で900点取ることができると私は思います。ただ、一応注意書きをしておきますと、勉強は自分が楽な方法でやるのが一番だと思います。ですので、私の方法も完全に真似しようとするのではなく、いいなと思ったところを取り入れる程度に参考にしてみてください。